さらすば亭日記@GTMの音楽工房

GTMの音楽と作曲とたのしい日常

音の持つ神秘について考えてみた ~DTMで作曲をするために~

こんにちは。作曲家・サウンドクリエイターのGTMです。

 

今日は、東京国立博物館に行ってきました。

私は、東京国立博物館の年間パスポートを購入しているので、日々の学びのために、頻繁にトーハクへ行きます。20代の頃から、東京国立博物館がなぜかとても好きです。

 

トーハクは、日本美術、東洋美術、法隆寺宝物館など、いろいろなテーマの展示があるのですが、今日はその中の、考古学の展示に的をしぼって、じっくり見てきました。

 

音の持つ神秘性について、展示を見て、考えた事を書きます。

 

日本は神秘の国

日本はよく言われる通り、「神秘の国」だと感じます。

 

日本では、自然のすべてのものに神が宿っています。神も仏もいます。精霊や妖怪もいます。動物にも霊性が宿っています。日本人は、自然・神・仏は、どれも同じように、優劣の差をつけることなく、信仰しています。

 

異なる信仰同士は、闘って滅ぼして乗っ取って一本化するのではなく、多様性を認め、異なる信仰を融合されています。

 

そこが、日本独特の特徴だと思います。信仰という繊細な思想を含む部分で、他を排除することなく、多様性を認め合えたのです。

 

そんなことを展示で見た全体から感じました。

 

信仰と音のつながりについて

私は音楽を作る人なので、音について感じた事を書きます。

 

古代の日本人は、自然や神仏のおかげで、生きられている事を、肌で感じていました。それは現代も同じなのですが。

そこで人々は、神仏へ、感謝の気持ちを表したり、願ったり、祈ったり、死者の行方をゆだねたりするために、祭祀や祭礼を行います。神官や僧侶も、日々祈祷や行を行います。

 

その時に使われるのが、「音」です。「音楽」とも言えます。

 

音には不思議な力が宿る

 

音には、力が宿ります。

 

私は、4歳から大学院まで、クラシック音楽を勉強してきたので、体感として、音には不思議な力が宿っているという事を経験しています。

心を癒したり、心を晴れ晴れとさせたり、哀しい気持ちを表現して洗い流したり、そのような、目に見えないエネルギーに働きかける力が、音には備わっています。

 

音は振動です。空気を振動させます。私たちもすべての物質も、素粒子レベルで見れば、振動エネルギーそのものです。そして、音のエネルギーが、宇宙や地球の振動と、私たちの振動と、共鳴し合って、私たちの心身に、作用をもたらします。

 

この音が持つエネルギーを、すべての人々の幸せのために、そして宇宙や地球の幸せのために、古代の人々は日常的に使っていたのだと私は思います。

 

その音を出すための物質が、今日見てきた展示の中にありました。

 

不思議な力を持つ「音」を使うための道具

ざっくり簡単にご紹介します。

 

銅鐸

まずは、銅鐸です。

 



 

銅鐸は、もとは音を鳴らす祭器だと言われていますが、時代が進むとだんだんサイズが大きくなって、音を鳴らすものではなくなったようです。

 

銅や青銅器といった金属は、生きるためにも便利な道具になるので、ありがたいものだったのだと思います。金属でベル型の楽器は、豊かな倍音を作り出します。銅鐸に描かれているトンボ、亀、鹿狩りをする人などの絵から、自然や神様の恵みに、人々が感謝していたことが伝わってきます。

 

琴を弾く埴輪

次は、教科書によくでてくる、琴を弾く埴輪です。

 



身分が高い人は、日常的に琴を弾いていたのではないかと思います。琴は現代も価格が安くはありません。琴という楽器は昔から、高貴な人だけが、弾けた楽器なのかもしれません。

人物の埴輪は、冠婚葬祭に関連して作られたのではないかとされているようです。

いずれにしろ、自然の材料から作られた楽器が奏でる音楽に、神秘の力が宿ると信じられていたのだと思います。

 

三鈷杵と錫杖

次は、三鈷杵と錫杖です。

 


これらは、今日見た展示では、修験道の僧侶が使っていた道具としてのものでした。

密教の法具です。

 

私は、定期的にお不動様の護摩行に参加しています。その護摩行の時に、密教法具をどのように使うのかを観察しました。

 

三鈷杵は、もとは、インドの神話に出て来る神様が持っている武器です。面白い不思議な形です。煩悩に打ち勝つという意味で、もとは武器の三鈷杵が、法具として使われているらしいです。

三鈷杵は、数珠にこすりあわせて、倍音を響かせるような音を作ります。小さな音ですが、不思議な、なにか秘めた力があるかのように感じられる音がします。

 

 

錫杖も護摩行の中で使われます。高めの音でしゃんしゃん鳴ります。修験道で山の中で修行する時によくお坊さんが持っているものです。

魔や邪気を払ったりもできるのかもしれません。

 

振動エネルギーどうしを結びつけるものが楽器

音は、振動です。そして私たちも素粒子レベルで見たら、振動で出来ています。地球のあらゆるものも、振動でできています。

 

楽器や音は、「人間のエネルギーと、宇宙や地球のエネルギーとを結びつけるための働きをするもの」だと私には思えるのです。

それゆえ、音によって、神仏に願いや感謝を伝えようと、古代の人々は考えたのだと思います。

 

音や音楽は、地球、自然、宇宙が持っている様々なエネルギーを、増強したり、循環させたり、調和させたりします。

その音や音楽は、人間の心身に様々な作用をもたらします。癒したり、負の情念を浄化したり、温かさを感じさせたり、勇気を起こさせたり。

 

古代の人々は、現代の私たちよりも優れた霊性を持っていたと思います。現代のような人工物がほぼ無くて、自然と一体化して生きていたからです。目に見えないものの力を、誰もが認識して生きていたのだと思います。

 

 

音楽には不思議な力があります。

 

私も、作曲家として、その音楽の持つ不思議な力を、これからも研究して上手に使って、皆さまや地球の幸せを作っていきたいと思いました。

 

 

最後までお読みくださりありがとうございます

 

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