こんにちは。作曲家・サウンドクリエイターのGTMです。
この記事では、私が練習している「3つの竹笛」の魅力をご紹介します。
音楽をされる方や、そうでない方にも楽しんでいただけるように書きます。
3つの竹笛=「尺八」「篠笛」「笛子」
私は3つの竹笛を持っていて、練習ができる時に、練習しています。
日本の「尺八」と「篠笛」と、中国の楽器「笛子」(ディーズ)です。
私が持っているのは、3つの楽器とも安価なモデルですが、ちゃんとその楽器らしい音は鳴ります。
私は、和楽器を使った曲を中心に作曲しています。
実際に自分で楽器を吹いた感覚を知っておくと、その感覚を生かして作曲できる、という目的もあって、楽器を練習しています。
独学で吹いています
3つの楽器とも独学です。
私は、小学4年生から大学院を修了するまで、ずっと副科楽器の一つがフルートだったので、吹き方は身に付いています。ですので、音を出す事自体には、時間がかかりませんでした。
今の時代は、Youtubeで検索すれば簡単に楽器の吹き方を学べるので、独学はとてもやりやすいです。楽器さえあれば、だいたい何とかなります。とても便利な時代です。
3つの竹笛の魅力
3つの竹笛の、それぞれの楽器の魅力を簡単に語りたいと思います
➀尺八
私が持っている尺八は、私が今住んでいる土地の地元の職人さんによる直販売のイベントで購入した、安価なモデルのものです。
でも、職人さんの手作りなので、ピッチはとても正確で、音色もきれいです。
構え方と鳴らし方
尺八は縦笛なので、リコーダーと似たような構え方です。
ただし、吹き方はリコーダーとは違います。フルートと同じように、自分で唇の形や息の方向を調整して、管のエッジの部分に息を当てて音を鳴らします。
私が使っている楽器は、5孔尺八で、指の穴が5つある尺八です。
音の作り方がむずかしい
尺八の難しい所は、音を作る事です。
「メリ」と「カリ」という吹き方があって、あごを下げたり上げたりして、音程を調整しながら吹きます。
「カリ上げ」という言葉もここから来ているらしいです。
指使いはちょっと変わっている
表側の4つの穴は、右手と左手の人差指と薬指を使ってふさぎます。
中指は、楽器を支えるためにも、押さえたままにします。裏側に1つ穴があって、親指を使ってふさぎます。
7音音階を吹くのはかなりむずかしい
5孔の尺八で、ドレミソラのような、5音音階を吹くのは簡単ですが、ドレミファソラシのような、7音音階を吹くのは、とても難しいです。そして、シャープやフラットなどの派生音も難しいです。
私は今、宮城道雄作曲の「春の海」を練習しているのですが、最初の部分は5音音階なので吹けるものの、途中から7音音階になってとても難しくなり、全然まだ吹けていません。
5孔尺八で、西洋音階の曲を吹くのはものすごく難しいということがわかりました。
7孔の尺八もあるので、曲の調に合わせて、7孔の楽器を吹くのもいいのかも知れません。
②篠笛
篠笛は、Amazonで購入しました。販売元をよく調べて、日本の職人さんの手作りのブランドのものを買ったので、音色がとても美しいです。
8本(ハ長調)の篠笛を選びました。
構え方と鳴らし方
篠笛は横笛なので、フルートが小さくなった感じで構えます。
8本の篠笛は、フルートと違って、管が短く小さいので、息の量は少なくて足ります。フルートのつもりで吹いていると、どこまでも息継ぎなく吹けてしまうので、とてもらくちんです。
6つの穴を使って音を作る
6孔と7孔の楽器があり、私は7孔の楽器を選びましたが、7孔目は使っていません。高い音では7孔でしか出せない音もあります。基本6つの穴を使います。
右手と左手の小指以外の3指を使って、穴をふさいで音程を作ります。
「指打ち」が篠笛らしさを出す
今私は「青葉の笛」という曲を練習しています。難しくなく吹けます。
篠笛は、「指打ち」と呼ばれる、民俗楽器らしい細かい装飾音符の入れ方があり、それを自分で工夫して入れながら、演奏しています。
ちなみに、尺八も篠笛も伝統的にはタンギングを使わない吹き方が一般的です。
「こきりこ節」なども、篠笛ではとても簡単に吹けます。
③笛子
中国の「笛子」(ディーズ)は、Amazonで購入しました。安価なモデルです。
音程はだいたい合っていて、音はそれほどきれいに鳴りきりませんが、笛子らしい音は充分に鳴ってくれます。
もう少し高いモデルを購入すれば、もっと柔らかく深い音が鳴ると思います。
笛子はフルートに似て、篠笛にも似ている
笛子は、フルートにとても似ています。私は、大きすぎず小さすぎない、D調の笛子を選びました。
指孔は篠笛に似ていて、6穴で、両手の小指以外の3指を使ってふさぎます。
「笛膜」(ふえまく)という重要なポイント!
笛子は、篠笛や日本の笛と異なり、「笛膜」(ふえまく)というものを貼ります。
楽器には指用の穴の他に、笛膜を貼るための穴があります。
↓一番左の穴が吹き口です。その右にある穴が、笛膜用の穴です。このように笛膜を貼ります。
笛膜は、葦の茎の繊維でできた、薄い膜です。
それを穴の上に貼ってふさぎます。
笛膜を貼ることによって、独特のびりびりした音になります。
笛膜の張り具合が音に大きく影響する
笛膜を貼る具合によって音が変わります。
笛膜の張りが強すぎても、ゆるすぎても、良い音になりません。丁度良い貼り具合の所を探します。
一番好きなのは「笛子」かも知れない…「笛膜」が魅力的すぎる!
私は最近、尺八・篠笛・笛子の中で、実は一番好きなのは「笛子」かも知れないと思っています。
笛膜があるからこそ鳴る音が、たまらなく好きになってきました。
笛子を吹いていると、人間の声に似ている感じがしてきます。
人間らしい感情を、笛子はとても直接的に、音にあわらしてくれるような気がするのです。
尺八や篠笛には無い、笛子の独特の吹き心地が、とてもクセになり、好きになってきました。
中国ドラマの曲を練習中
「笛子」では、中国ドラマの音楽を数曲練習しています。
YouTubeで聴いた演奏を耳コピして、自分の楽器に合わせて移調して吹いています。
運指は一部不規則
「笛子」は、指使いが一部不規則なところがあるので、運指が少し覚えづらいです。でも慣れれば問題ありません。
購入した笛子のご紹介
私が使っている楽器は、こちらの楽器です。笛子は様々な調がありますが、私はD調の楽器を使っています。D調の楽器は、サイズも程よく吹きやすいです。
こちらの笛子を買えば、笛膜と、笛膜を貼るための道具と、笛に飾る中国結びと、指使いが書かれている運指表がセットになっています。初めて笛子を吹く方には、丁度良いセットだと思います。
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3つの竹笛を吹いてみて
自分で実際に笛を吹いてみると、作曲する時に、この場面では演奏者はどんな風に鳴らしたいと思うか、気持ちよく吹けるか、という視点から考えることができ、アイデアが広がっていきます。
聴く人にも、聴き心地が自然で良い印象を与えられる音楽ができると思っています。
何よりも、味わいの違う様々な楽器を、自分で鳴らせる事は、とても楽しいです。
感情を込めたり、ただ流れに身を任せて即興的に吹いたりして、音と遊ぶ時間は、とても素晴らしいものです。
「いつか天気のいい日に山に行って、気ままに竹笛を吹きたいな、とっても気持ちがいいだろうな~」と、妄想しています。
さいごに
DTMで扱っている楽器は、実際に手に触れ、演奏してみる事で、とても身近な存在になります。
手に取って遊べば親しみがわき、その音が好きになります。
楽器が好きになれば、作曲も自然と自分の表現したいように書くことができるようになってきます。
私は、DTMで「笛子」の音源を初めて鳴らした時に、「びりびり言って全然他の音に合わない!」と思い込んで、しばらく使っていませんでした。
でもその後、中国の音楽に触れるようになり、「笛子」を実際に手に取って演奏してみたら、「笛子」の魅力がわかりました。
今では、日本の楽器とともに「笛子」も、とてもひんぱんに作曲に使っています。
皆さまは、何かお好きな楽器がありますか?